慣れること…、忘れること…


「慣れること…」
 物事に慣れて、習熟するならば、プロや職人と呼ばれます。物事を極めるためには、何事も慣れることが必要。しかし、なれあいは困ったことであり、慣れすぎは新鮮さがなくなり、心が薄れるようなニュアンスもあります。
 さて、痛みや苦しみに慣れることはできるのでしょうか?七転八倒、紆余曲折、そしてそれなりの時間を経て、痛みや苦しみにも慣れることができると知りました。鈍感になることとは違います。痛みや苦しみがなくなったわけでもありません。これは、人間が生き抜くために、神さまが下さった恵みです。


「忘れること…」
 高齢系になれば物忘れも増えて、寂しい思いもします。大切な約束を忘れては困ることになります。「あれ」「それ」ばかりの会話はチョイト情け無いかな。
 痛みや苦しみの真っ只中にいる時、人はそれは忘れられないものと思ってました。でも、自分の経験ではそれを少しは忘れることができるようです。確かに脳には記録されていて記憶にはあるのですが、引き出さずにいると薄れてくるよう…。1月にLAで出会ったあるドクターは、それを人に与えられた恵みと言っていました。痛み苦しみを少しでも忘れることができるのは、ありがたいことです。


 日本の被災者の方に、簡単に当てはめることではないでしょうが、時間をかけ、支えられ、祈られて、人は生きて行くことができます。ゆっくりゆっくりではあっても、必ず前に進むことができます。


ユウジ