自粛?萎縮?

 東京近郊から桜満開の便りとともに、都立の公園ではお花見自粛の看板が出たと聞きます。イベントやコンサートの中止なども相次いでいるようです。たしかに、今回の東日本大震災で亡くなった方々、そのご遺族、そして依然として避難所や避難先で不自由で不安な暮らしを続ける人たちなどのことを考えるなら、当然とも思えます。
 ハワイで私の関わりでも、ユーオーディア・アンサンブル(クラシカル・クリスチャン音楽)6名に日本から来ていただいて、5月末に予定していたコンサートを延期といたしました。これはすでにすべての準備が整っていましたが、最終打ち合わせのために担当者が日本を出発する日に、あの大地震がありフライトがキャンセル、その後の日本とのやり取りで、延期にしましょうとの結論をだしました。これは当然のことと双方が納得しています。
 しかし、あまりの自粛は萎縮になるとの指摘もあるようで、日本からの観光客が中心のハワイはすでに萎縮し始めているかもしれません。日本ではさらに困難な状態になってしまうのではないでしょうか。お花見の自粛を公園管理の都が通達するというのは・・・。
 自粛とは、自分から進んで、行いや態度を慎むことですから、行政が指導することは個人の意志を無視しているようにも思え、何か違和感を感じます。お花見ではなく、イベントやコンサートなども主催者と会衆が自粛を望むならそれも良し、元気を失わないためにあえて開催を選ぶなら、それも素晴らしいことでしょう。
 自粛・自粛で嫌なムードが広がらないことを祈ります。