安心な数字、不安な数字

8.1(2008/12/10)、8.3(2008/12/11)、0.9(2009/07/02)、1.1(2009/09/17)
0.9(2010/05/07)、1.3(2010/09/17)、0.9(2010/12/15)、1.1(2011/03/07)
 これはマグニチュードではなく、私のCEA(消化器系がんの腫瘍マーカー)の数値です。今日の腫瘍内科の3ヶ月検診で今回の腫瘍マーカー 1.1 であることを知らされました。直腸癌の診断を受けた時の 8.1、8.3 から、二年前(2009/03/05)の癌摘出手術以降、基準値5.0以下ですので、二年間再発・転移が無いことを数字が示しています。まさに一安心で、いままでの3ヶ月ごとのCEA検査が6ヶ月ごととなります。
 二年を経て、初めてこの数字を知らされました。今までは、ただ癌の再発転移無しという結果のみを知らされ、私の勉強不足もあってこのCEAの数字をあえて聞くということはありませんでした。今回初めて、私の方から質問をすると、いとも簡単に今までの結果をプリントアウトしてくれました。患者自身が勉強して聞かない限りは教えてはくれないものなのですね。でも、この数字が分かることで安心がさらに確かなものとなりました。
 そして、M8.8、M8.9、M9.0、というのは今回の東日本巨大地震地震の強さを示す数字でした。今も続く余震のニュース速報のマグニチュードや震度の数字にドキドキします。また、今の一番の心配ごとは福島原発からの放射線量のシーベルトです。この値はそれが何を意味しているのか分かりづらいのですが、徐々に分かるようになって、マイクロ・シーベルトという単位に、さらに千倍のミリ・シーベルトが現れると、事の深刻さを感じ、注意深くなり、不安を感じます。
 数字というのは本当に大切な要素で、安心を与えるものであり、不安を与えるものでもあります。今回の東日本大震災の死者・行方不明者の数が、毎日増え続けるのは悲しくつらいことです。余りに細かい数字に一喜一憂してしまってはいけませんが、私たちはその意味を知って、目を背けず注意深く見守らなければなりません。